ドイツで最も有名な劇作家の1人、ゲオルク・ビュッヒナー。その戯曲”Woyzeck” から着想を得たコレクション。
主人公の名でもある”Woyzeck” は抑圧や戦争に反対する劇であり、人間が環境や状況、追い詰められることでどう変わるのかを描いてあるそうです。デザイナーが高校の卒論もこのテーマを取り上げるほど、昔から好きな戯曲だったそうです。
この戯曲の舞台の雰囲気を捉えて、デザイナー自身が解釈をガーメントに昇華させた、そんなシーズンコレクションとなりました。
また、このテーマになったいきさつに、生地との出会いも影響しています。
秋冬の厚地の生地は深みがあって、存在感、触感などベルリンから発信するFRANK LEDERならではの楽しみがあります。今回はビンテージでも希少な生地が多く、生産数も限られているものもあります。
先日紹介したAUSTRIAN MILITARY BLANKETはじめ、GERMAN PRISON BLANKET、BURNED MOLESKIN、そしてチュコの地方都市で見つかったプラハの仕立て屋が長く保管していた生地など。順番に紹介していきたいと思います。
最後に、おりしも、このシーズンのコレクションを発表する頃に今の侵略戦争が始まりました。不気味なほどに今の時代を投影していて、国家の恣意性に対する抗議、そして人類にあるべき姿を考えさせる声明にもなったと言います。